みなさま、こんにちは。
横浜市営地下鉄ブルーライン中川駅より徒歩6分の位置にある学習塾、エアフォルクです。
中高生のみなさんは、勉強していて挫折を感じたことはありませんか。挫折を感じるということは、自分よりも上のレベルに目を向けている証拠で、決して悪いことではありません。
そして、挫折を感じるということは、自分の課題を見つけたということでもあり、成長のチャンスと考えることもできます。
今回は、私の教え子で人前で涙を流すほどの挫折感を味わった生徒とその成長についてのお話です。
とある塾での夏期講習初日の話
N君は、いつも笑顔を絶やさない元気な、悩みなどないかのように見える中3男子でした。
そんなN君が相談したいことがあると深刻な表情で私のところにやってきました。
私はどうぞとカウンター席を進めましたが、N君は躊躇(ちゅうちょ)します。人に聞かれたくない話なのかと察し、私はNくんと空き教室へと向かいました。
向かい合って座ること、1,2分、N君は話し始めません。
「どうしたの?」と声をかけると、N君は涙声で話し始めました。自分の声にさらに悲しくなったのか、N君の目から涙がぽろぽろ流れ出しました。
「これは何かあったな。友達とトラブルか?いじめじゃないよな?」と私は不安になりながら、N君が落ち着くまで二人で黙っていました。
N君の相談は、そのような問題ではなく、英語の読解問題に関するものでした。私はひとまず安心し、内容をよく確かめました。N君の相談内容をまとめると下の◆の部分です。
◆得意の英語でみんなに勝てなくなってきた
◆読解問題が苦手
◆時間をかければ解ける
◆制限時間を30分もオーバーしてしまう
入試問題を解き始める夏によくある相談です。夏期講習には勉強をたくさんしてほしいので、少し無理して、入試問題を経験してもらう塾は多いと思います。私たちもそのようにモチベーションをあげるための方法の1つとして、点数を期待しない入試演習をやっていました。
危機感を持たせるという意図もあるのですが、N君には効果がありすぎたようです。
私は相談内容を聞いて、N君のひたむきさにちょっと感動し、落ち着きを取り戻しました。
そしてまずN君に相談に来てくれたお礼を伝え、1つだけアドバイスしました。
はい、たった1つだけです。それは、
「毎日私と音読をすること」
それからほぼ毎日、N君は私との約束を守り、音読を続けました。
N君は授業がない日も自習に来ていました。塾が休みの日は家でやることになっていました。
N君との音読マラソン(いつの間にかN君がそう呼んでいました)の中で、私がしたアドバイスもちょっとまとめてみます。
音読するときに意識すること
N君に音読するときに、心がけるようにと以下のことをアドバイスしました。
● 必ず自分が聞こえるくらいの声で発音すること
● スピードリーディング(できるだけ速く読むこと)を意識すること
● 辞書を使ってちゃんと発音を調べること
発音指導もしました!
ちゃんとした発音で音読をしなければ、その意味は半減してしまいます。発音ができるようになるとリスニングもできるようになります。
反対に言うと、自分が発音できない音を聞き取るのは難しい、というよりほぼ不可能です。
これはリスニングが苦手な人にアドバイスするときに言うことですが、
「まず、何度もネイティブの音源を聞いてそれを『ものまね』するつもりで、発音練習しなさい」
自分が発音できるようになると不思議なもので、ちゃんと聞こえるようになります。
英検には、2次試験で音読がありますね。それはなぜでしょうか
その理由は、発音により語彙力(ごいりょく)、イントネーションやアクセントにより文法力を推定することができるからです。
どの単語がどの部分につながっているのか、どの部分がどの単語を修飾しているのかなど瞬時に理解しながら読む必要があるのです。
ですから、音読で、単語学習、文法学習の復習までできてしまいます。
音読には様々な効用がありますので、効果を高めるためにもしっかり発音しましょう。
スラッシュポイントには力を入れました!
みなさんは、ピザを食べるとき、どうやって食べますか。丸いままかぶりつきますか。
ピザを食べるときは、もちろん8等分にして、小さくした方が食べやすいですよね。
それと同じように英語も1文を丸々食べるよりも、細かく分けた方が食べやすく(読みやすく)なります。この読み方をスラッシュリーディングと言います。
スラッシュリーディングは今や英語学習の常識です。
細かく分けた方がより速く、より簡単に英文を理解することができます。
また、英語を読んでいくときに、日本語の語順にいちいち変換しながら読み進めると時間が余分にかかって速読どころではありません。
ですから、スラッシュリーディングでは、英語の語順で理解していく練習をするのです。
小学校の国語の授業で文節分け(という名称でしたでしょうか?)をやったと思います。
私は昨日太郎君と公園でキャッチボールをして遊びました。
→ 私はね、昨日ね、太郎君とね、公園でね、キャッチボールをね、してね、遊びましたよ!
「ね」読みとも言っていたように思いますが、それの英語版だと思ってください。
SVOCや前置詞、接続詞、準動詞、関係代名詞を目安に英単語の塊を見極め、細かく区切りながら英語の語順で読んでいく方法です。
これをマスターすると英語が数段簡単に読めるようになります。
最初は、日本語の語順に直さないと中々意味を捉えられませんが、これは慣れです。続けていくうちに頭に入ってくるようになります。
また、スラッシュポイントごとに、日本語に置き換えながら読んでいくのですが、これは慣れてくると英語のままでも読めるようになってきます。言語を置き換える手間が省けるので、その分、さらに速く読めるようになります。
もっと慣れてくるとスラッシュポイントの数を減らしても理解できるようになります。
音読する教材は的確に選ぼう
音読する際に、使用する英文はどのようなものがいいでしょうか。
不規則な表現や、奇をてらった表現を含む物語文よりも、論理展開にある程度の規則性がある説明文やエッセイが好ましいでしょう。また、自分のレベルよりは少し上の、同時に意味はぎりぎり理解できるものが望ましいです。
自分で判断するのは難しいので、担当の講師に相談することを強くお勧めします。
エアフォルクに来てくれたらいつでも相談にのります!
話をN君に戻します
N君がどうなったか、知りたいですよね。どうなったと思いますか。
もちろん、大成功でした。N君は音読を始めてから2カ月弱で、英語についての自信を取り戻していました。中2のうちに文法を固めていたのも成功の一因です。
N君はスピードという自分の弱点を克服したのです。
あの夏期講習初日の相談がなかったら、どうなっていたでしょうか。
相談って大切ですね。何でも困っていることがあったら信頼できる講師に話してみてはいかがでしょうか。N君も私に相談するとき、相当の勇気が必要だったはずです。
N君は受験の時も自信満々で、受験した高校は全勝しました。特に第三志望の学校の試験後に塾に報告に来た時には、
「余裕でした。英語は試験時間が長くて暇でした」
といってのけました。
私は、自慢げな態度を見て、「泣いてたくせに」と思ってしまいましたが、声には出しませんでした。
N君、あの日の相談のことを覚えていますか。
私は、最初相談内容が分からず、寿命が縮む思いでした。
そして、相談内容を聞いて、君の一生懸命さに感動し、涙が出るのを一生懸命にこらえていたのですよ。
みなさんも、N君のように自分の弱点をみつけ、それを克服するために努力してください。N君のような成功につながるとは保証できませんが、30年この仕事を続けてきて、努力に無駄な努力はないと確信しています。
Run towards the future!「成功へ向かって突き進め!」
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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