「リスニングはセンスが必要」と思っていませんか?
実は、リスニングは正しい方法で練習すれば、誰でも必ず伸びる学問分野です。
また、「何度も聞くだけで伸びる」と思っていませんか?
リスニングが聞けない理由は人それぞれ、それぞれに適切な対策をしなければ効果は出ないのです。
今回は、リスニングが苦手な理由を分析し、効果的な勉強法を一緒に考えていきましょう。
苦手な理由を特定しよう
「リスニングが苦手…」と感じていても、実はその理由は人それぞれです。
まずは「なぜ聞き取れないのか」をはっきりさせることが、上達への第一歩です。
下のチェックリストを見ながら、自分に当てはまるものにチェックを入れてみましょう。
□ 英文が分からない
□ 知らない単語が多い
□ 知っている単語が聞き取れない
□ 英文の速さについていけない
□ 単語は聞き取れるが意味がつかめない
□ 全体像が分からない
□ 内容は分かるけれど、問題を解くときに忘れてしまう
いくつか当てはまった人は、次のステップへ。
自分の英語力自体に問題があるのか、それとも聞き取りの力が弱いだけなのかを見極めるために、
ある方法を試してみましょう。
それは、スクリプト(英文)を見ながら問題を解いてみることです。
音声なしで「読むだけ」で理解できるのかを確認してみてください。
🔸 スクリプトを見れば、意味も正解も分かる
→ 英語力はすでにある。リスニング力の強化が必要です。
🔸 単語の意味がわからず、内容も理解できない
→ 単語力の強化が必要です。まずは単語帳を1冊しっかりやり切ろう。
🔸 単語はわかるけど文全体の意味がつかめない
→ 文法力に課題がある可能性があります。未習の文法を見つけて復習しよう。
このように、自分の現状を正しく理解することが、効果的なリスニング対策につながります。
焦らず、着実に一つずつクリアしていきましょう!
英語力はあるのに、聞き取れないのはなぜ?
スクリプトを読めば内容は理解できる。
でも、音声を聞いたとたんに頭が真っ白になる。何を言っているのかさっぱり分からない。
それは、「英語力の問題」ではなく、「音を処理する力」や「脳の働かせ方」に原因があることが多いです。
リスニングでつまずく人の多くは、次のような理由で聞き取れなくなっています。
<リスニングが聞き取れない主な理由>
① 単語の発音を間違えて覚えている
② 英語独特の音の変化(音のつながりや脱落など)に慣れていない
③ 英語の語順で理解できず、頭の中で日本語に訳そうとして間に合わなくなる
④ 聞いた内容をすぐに忘れてしまう(記憶に残らない)
自分はどれに当てはまるのか、考えてみましょう。
それぞれの原因に対して具体的な対策を紹介していきます。
「リスニングは苦手だから…」とあきらめていた人も、正しい方法を知れば必ず前進できます。
自分の弱点に合った方法を見つけて、少しずつ力をつけていきましょう!
英語を聞き取れない理由別対策とは?
① 単語の発音を間違えて覚えている
リスニングで最もよくあるつまずきの一つが、知っているはずの単語が聞き取れないというケースです。
実はこれ、発音を間違えて覚えていることが原因であることがよくあります。
たとえば、「fruit」という単語。
カタカナで「フルーツ」と覚えてしまっていると、ネイティブの「フルートゥ」のような音が聞こえても、それがfruitだと気づけません。
つまり、「見てわかる単語」と「聞いてわかる単語」は別物なのです。
🛠 対策1:単語を覚えるときは必ず音声つきで!
英単語を覚えるとき、スペルや意味だけでなく、音声もセットで覚えることが大切です。
スマホアプリや電子辞書、オンライン辞書(例えば「Oxford Learner’s Dictionary」や「Weblio」)などを使って、発音を必ず確認しましょう。
🛠 対策2:自分の発音を録音してチェックしよう
「ちゃんと覚えているつもり」でも、実際に声に出してみると、
意外と違う音になっていることがあります。
そこで効果的なのが、自分の声を録音して聞き返すこと。
▶単語や短い英文を音読する
▶スマホなどで録音する
▶本物の音声と比べてみる
この作業をするだけで、発音のズレに気づき、耳も鍛えられるようになります。
🛠 対策3:聞き直し練習(リスニング×スクリプト)
リスニング問題で「これ何て言ってたんだろう?」と思ったら、スクリプトを見て単語を確認
→もう一度聞くという流れを習慣にしましょう。
特に聞き取れなかった単語を「自分の発音で再現できるかどうか」まで確認すると、効果は倍増します。
✅発音できない単語は、聞き取ることもできません
✅正しい発音を知ることは、リスニングの第一歩
✅音を「目と耳と口」で覚えると、定着しやすくなります
このように、発音を意識した単語学習は、リスニング力を高める上で欠かせない土台となります。
次の項目では、「音のつながり(音声変化)」に慣れていない人向けの対策をご紹介します!
② 英語独特の音声変化に慣れていない
英語を聞いていて、「単語は知ってるのに、何て言ってるのか全然わからない…」と思ったことはありませんか?
実はそれ、音声変化(=音がつながったり、消えたり、弱くなったりする現象)が原因かもしれません。
日本語にはないこの特徴に慣れていないと、知っている単語のはずなのに全く聞き取れないということがよく起こります。
🔊 よくある音声変化の例
- 連結(リエゾン)
例:pick it up → 「ピキダップ」のように聞こえる
単語同士がくっついて、1語のようになる - 脱落(消える音)
例:next day → 「ネクスッデイ」のように「t」がほとんど聞こえない
音が発音されない、または非常に弱くなる - 同化(音が変わる)
例:good boy → 「グッドボーイ」ではなく、「グッボーイ」
隣の音に影響されて、音が変わる - 弱化(小さく・短くなる音)
例:of, to, a, the などがとても弱く、短く発音される
🛠 対策1:音声変化に気づく練習をしよう
まずは、「どこがつながっているのか」「どの音が消えているのか」を意識して、スクリプトと照らし合わせながら聞く練習をしましょう。
おすすめは「オーバーラッピング(音声に合わせて一緒に読む)」による音まね練習です。
🛠 対策2:短いフレーズを何度もまねして言う
長い英文ではなく、短いフレーズ(2~4語)を使って、
聞いて→マネする練習をくり返すのが効果的です。
たとえば:
- What are you doing? → 「ワラユードゥイン?」
- I’m going to go. → 「アムゴナゴー」
このように、実際の音を自分で口に出すことで、音のリズムと変化に慣れる耳を育てることができます。
🛠 対策3:「聞き取れなかったところ」だけを重点練習!
リスニング練習をするときに、「聞き取れなかった部分」だけをメモして、そこだけ集中して練習するのも効果的です。
知らない単語ではなく、知っている単語なのに聞き取れなかった部分を見直すのがポイントです。
✅英語は、文字の通りには読まれません
✅音がつながったり、消えたり、変化したりすることを知ろう
✅オーバーラッピングによる口まねで、「耳と口で慣れる」ことが大切!
「英語の音の仕組み」がわかると、リスニングが少しずつ楽しくなってきます。
つづいて、「英語を日本語に訳そうとして間に合わなくなる人」への対策をご紹介します!
③ 英語の語順で理解できず、日本語に訳そうとして間に合わなくなる
英語を聞いているとき、頭の中で必死に日本語に訳しているうちに、
次の文が流れていってしまった…。
こんな経験、ありませんか?
それは、英語を英語の語順のまま理解するトレーニングが足りていないことが原因かもしれません。
🧠 なぜ日本語訳では間に合わないのか?
英語は「主語→動詞→目的語」という語順で進みますが、
日本語は「最後まで聞かないと意味がわからない」言語です。
そのため、いちいち日本語に直そうとすると、理解がワンテンポ遅れてしまい、英文のスピードについていけなくなるのです。
🛠 対策1:スラッシュリーディングで語順に慣れる
まずは音声なしで、スクリプトや長文を「かたまりごと」にスラッシュを入れて読む練習をしてみましょう。
例:
I went to the bookstore / to buy a new dictionary / that my teacher recommended.
こうすることで、語順のまま意味をつかむ習慣が身につきます。
🛠 対策2:英語を「読む」練習と「聞く」練習をつなげる
スラッシュリーディングを使って読解に慣れてきたら、そのスクリプトを使ってオーバーラッピング(音声に合わせて一緒に読む)をしてみましょう。
少し遅れて追いかけるシャドーイングではなく、オーバーラッピングが中高生にはおすすめです。最初はスクリプトを見ながらでかまいません。慣れてきたら少しずつ、スクリプトなしでも挑戦してみましょう。
「英語を語順で理解する→そのまま音でも処理できる」ようにするには、
読む力と聞く力をセットで鍛えることがとても効果的です。
🛠 対策3:日本語を挟まずにイメージで理解する練習
すべての英文を「英語→日本語→理解」という順で処理するのではなく、
英語を聞いた瞬間に情景や意味をイメージする力をつけていきましょう。
たとえば:
- He opened the window. → 頭の中で窓を開ける映像を想像する
- She is talking on the phone. → 電話をしている場面を思い浮かべる
こうした練習を重ねることで、英語を「英語のまま」理解できる脳の使い方に変わっていきます。
- 日本語に訳しながらだと、英文のスピードに追いつけない
- 英語を意味のかたまりごとに読み、語順に慣れよう
- イメージでとらえる練習をすると、聞き取りもスムーズになる
英語を英語のまま理解できるようになると、リスニングは一気に楽になります。
最後に、「聞いた内容がすぐに忘れてしまう」という悩みへの対策をご紹介します!
④ 英語が記憶に残らない
リスニング中に「今の文、なんとなく分かった気がする!」と思ったのに、
問題を解こうとしたら内容をまったく思い出せない――。
そんな経験はありませんか?
実はこれ、記憶力の問題ではなく、理解の仕方に原因があることが多いのです。
🧠 聞いても覚えていない理由とは?
私たちの脳は、「ただ聞いただけの情報」を長くは覚えていられません。
特に英語を単語単位でバラバラに理解していると、意味が頭に残らず、すぐに忘れてしまいます。
逆に、英語を意味のかたまり(=チャンク)で理解している人は、内容を覚えていられる傾向があります。
🛠 対策1:スラッシュリーディングで「意味のかたまり」に慣れる
ここでもやはり、「かたまりでとらえる力」が重要です。
英語を読んだり聞いたりするときには、意味の区切りごとにスラッシュを入れて、まとまりで理解する意識を持ちましょう。
例:
She went to the park / with her friends / after school.
このように読むことで、情報を短期記憶に残しやすくなるのです。
🛠 対策2:聞いた内容を“つぶやく”練習を取り入れる
短い英文を聞いたあとに、その内容を口でつぶやいてみる(または要約して言ってみる)という練習は、記憶の定着に非常に効果的です。
英語でも日本語でも効果があります。
でも、日本語のときには、英語の語順でつぶやく練習をしてください。
たとえば:
- 英文:「He bought a present for his sister.」
- つぶやき:「彼は、買ったよ、プレゼントを、妹に」
このようにアウトプットを伴う練習は、「ただ聞く」よりも数倍記憶に残ります。
🛠 対策3:聞いた内容を「頭の中で映像化」するクセをつける
文章の意味がわかったら、その内容を頭の中で映像にしてみるようにすると、記憶の定着力がグッと高まります。
- She is eating ice cream. → アイスを食べている女の子の映像を思い浮かべる
- They are playing soccer. → サッカーをしている人たちを想像する
イメージと一緒に覚えた情報は、忘れにくくなります。
✅英語が頭に残らないのは、理解の仕方に問題があることが多い
✅意味のかたまりで理解しよう(スラッシュリーディング)
✅つぶやき練習やイメージ化で記憶に定着させよう
リスニングは、「聞く→理解する→覚える」の流れがそろってこそ得点につながります。
ほんの少しの工夫で、「聞いて終わり」にならない学習ができますよ!
「聞く練習」と「聞き流し」の違い
どちらも「聞く」だけど、身につく力は大きく違う
英語のリスニング力を伸ばすには、ただ音を聞いているだけでは不十分です。
特に「聞き流し」ばかりをしている人は、思ったより力がついていないことが多いです。
まずは、「聞き流し」と「聞く練習」の違いを、はっきり整理してみましょう。
🆚 聞き流しと聞く練習のちがい
比較項目 | 聞き流し | 聞く練習 |
---|---|---|
聞き方 | BGMのように流す | 集中して聞く(音や意味に注意を向ける) |
意識の向き方 | 低い(別のことをしながらが多い) | 高い(リスニングだけに集中) |
内容の理解 | ぼんやり分かるかも? | 意味や文の構造までしっかり理解しようとする |
語彙・文法の意識 | 低い | 高い(知らない単語や構文を調べる) |
上達のスピード | 遅い/効果が出にくい | 比較的早い/実力として伸びる |
💡 聞く練習の進め方【おすすめステップ】
ここでは、聞く練習をどう進めればよいか、実際のやり方を紹介します。
難しいことはありません。大事なのは「集中して、考えながら聞くこと」です。
📘 ステップ1:短めの音声を選ぶ(30秒〜1分)
長すぎると集中が続かないので、はじめは短い会話文やナレーションがおすすめです。
📘 ステップ2:まずは音だけで1回聞く
「何が聞き取れたか」「内容がなんとなくわかるか」を意識してみましょう。
📘 ステップ3:スクリプトを見て内容を確認
わからなかった部分、知らなかった単語をチェックします。
ここで辞書を使って理解を深めることが大切です。
📘 ステップ4:もう一度音声を聞く
今度は、内容を知った状態で聞くので、音と意味が結びつきやすくなります。
📘ステップ5:音声を聞きながら一緒に読む(オーバーラッピング)
最後に、音声に合わせてスクリプトを見ながら一緒に読む「オーバーラッピング」をしてみましょう。
これは、リスニング・発音・リズムの練習を同時にできる効果的な方法です。
最初は少し難しく感じるかもしれませんが、音をまねすることで英語の「耳」と「口」が育っていきます。
短いフレーズから始めて、少しずつ慣れていきましょう。
✅聞き流しは「慣れ」にはなるけれど、力はつきにくい
✅効果を出すには「聞く練習」が必要
✅短い音声でもいいから、集中して「意味をとる」ことを意識しよう
「聞いてるのに伸びない…」という人は、“聞き方”を変えるだけで一気に伸びることがあります。
まずは、今日から1日5分でもいいので、「意味をとるリスニング」を始めてみましょう!
エアフォルクのブログを最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
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