
先生、長文の速読方法を教えて下さい。時間が足りなくて困っています。

こんにちは。せらさん。
最近、過去問の長文あたりで苦戦しているのかな?

そうなんです。だんだん難度が高い問題になってきて、ゆっくり読めば分かるのに、時間がなくて。制限時間の2倍になってしまって、毎回すごく焦ってしまうんです。

大丈夫ですよ。
これは毎年、受験生がぶつかる壁です。
まずは自分の弱点を知ることが第一歩。
あわてず、ひとつずつ乗り越えていきましょう。
エアフォルクのブログを読んでくださり、ありがとうございます。
上の会話からも分かるように、今回は英語「長文読解」に苦戦している人向けの内容です。
自分の弱点を見つけて、長文読解の苦手を克服してください。
なぜ時間が足りなくなるのか?(原因の可視化)
長文読解で時間が足りなくなるのには、いくつかの原因があります。まずは、自分がどのパターンに当てはまるかを確認してみましょう。
① 語彙力不足
知らない単語が多いと、そのたびに意味を推測したり、止まって考えたりしてしまいます。1つの単語が分からないだけで、文全体の意味を見失うこともあります。語彙が少ない状態では、読むスピードがどうしても遅くなってしまいます。
② 文法の知識があいまい
英文の構造がとらえられないと、「どれが主語で、どれが動詞なのか」「この関係代名詞は何を指しているのか」などで迷ってしまい、理解に時間がかかります。特に高校入試・大学入試や模試では、文構造がやや複雑な長文が増えるため、文法の知識があいまいなままだと時間切れになりやすくなります。
③ すべての英文を日本語に訳そうとしてしまう
文を読むたびに、頭の中で日本語に直していませんか?
この「全てを日本語に変換する」という癖がついていると、読み終わるまでに倍以上の時間がかかることがあります。意味は分かっても、スピードが出にくい原因になります。
④ 本文に戻る回数が多い
設問を解こうとするとき、「あれ?どこに書いてあったっけ?」と何度も本文に戻る人は要注意です。最初に読んだときに内容がしっかり頭に入っていないと、情報を探すのに時間がかかり、焦ってしまう原因にもなります。
⑤ 設問文を先に読んでいない
本文からいきなり読み始めてしまうと、「何に注目すべきか」が分からず、ただぼんやりと読んでしまいます。その結果、重要な部分を見落としてしまい、読み直すはめになることも。設問を先に読むことで、目的意識を持って本文に取り組むことができます。
いくつか思い当たるものはありましたか?
「時間が足りない」のは、読み方のせいであることが多いのです。次の章では、これらの課題をどう克服していくか、具体的な対策をご紹介します。
読むスピードを上げるためにできること(改善策)
読解スピードを上げるには、「慣れ」だけでなく、正しい方法での練習が欠かせません。ここでは、効果的に読む力を高めるための7つのポイントをご紹介します。
① 語彙力をつける
まずは、単語を知らなければ始まりません。よく出る単語や熟語は、意味だけでなく「文の中でどう使われるか」も含めて覚えていきましょう。短文を音読しながら覚えると、記憶に残りやすくなります。
「1秒ルール」
長文読解のための単語学習は、スペリングよりも「見た瞬間に意味が分かる」という練習です。単語を見て、「1秒以内に意味が分かる」という状態までしあげましょう。
② 英文法の弱点分野を見つけよう
文法の知識があいまいだと、英文の意味を正確につかめません。まずは自分が苦手としている分野(たとえば関係代名詞や時制など)を見つけ、そこを重点的に復習しましょう。文構造がすぐに把握できるようになると、読むスピードは自然と上がります。
「長文が読めない原因英文法トップ7」
5文型,関係代名詞,接続詞,分詞,不定詞、動名詞、受動態。この5つの単元は特に長文読解に重要です。まず、こちらのチェックかしましょう。
③ 英文の「かたまり」で読む練習
英語は「かたまり(チャンク)」で読むのが基本です。たとえば
She / decided to study abroad / after high school.
のように、意味のあるまとまりで目を通す練習をしていきましょう。1語ずつ追う読み方ではなく、「意味の単位」でとらえる感覚が大切です。
④ 設問文から先に読んで、読みながら答えのヒントを探す
本文を読む前に、設問を確認しておくことで、どこに注目すべきかが明確になります。読むときも「この部分が設問と関係ありそうだな」と意識しながら読むことで、本文を無駄なく理解できます。キーワードを見逃さない習慣をつけましょう。
⑤ 戻り読みを減らす意識
「もう一度確認しよう」と何度も本文に戻るクセがある人は、1回でしっかり理解する意識を持つことが重要です。特に「段落ごとに要点をまとめる」習慣をつけると、読み直しの回数が減り、時間のロスを防ぐことができます。
⑥ 音読・黙読・速読のバランスを取る練習法
速く読めるようになるには、「音読→黙読→速読」の順で練習するのがおすすめです。
まず音読で意味をとらえながら読み、次に黙読で同じ文をテンポよく読む。そして最後に、タイマーを使って「どこまで理解できるか」を試す速読トレーニングを行います。段階を踏むことで、正確さとスピードの両方を身につけられます。
⑦ つなぎ言葉、ディスコースマーカーをマスターしよう
However, Therefore, For example などのつなぎ言葉(ディスコースマーカー)は、文章の流れを読み解くヒントになります。これらの言葉が出てきたら、「話の転換点」や「理由の説明」が来ると予測できます。長文全体の構成をとらえる上でも重要なポイントです。
すべてを一度にできなくても大丈夫です。自分に合ったところから少しずつ取り入れて、確実にステップアップしていきましょう。次の章では、これらの改善策を「どのように練習に取り入れるか」について、具体的な方法をご紹介します。
おすすめの練習方法(自宅でできるトレーニング)
読解力を伸ばすには、正しい読み方を知るだけでなく、日々の練習が欠かせません。ここでは、自宅でできる具体的なトレーニングを5つご紹介します。
① 語順読み(英語の語順で意味をインプットする練習)
英文を日本語の語順に直して読んでいくのではなく、英語の語順のまま意味をつかむ練習です。たとえば
She / bought / a book / at the store.
を「彼女が / 買った / 本を / お店で」と、英語の流れに沿って理解していきます。これを繰り返すことで、頭の中で日本語に変換する手間が減り、読解スピードが向上します。
② リスニングのディクテーション
音声を聞いて、聞こえた英語を一語一句書き取る練習です。ディクテーションはリスニング力だけでなく、集中力や語順の感覚も鍛えられます。
また、リスニング力と速読力には相関関係があるとされ、両方を同時に鍛えることで、英文の理解スピードが大きく上がります。
③ タイマーを使って短時間で読む練習
制限時間を設けて読む練習をすると、「速く読む」ことへの意識が高まります。
はじめは「正確に読むこと」を意識しながら、慣れてきたら「制限時間内に要点をつかむ」練習に切り替えましょう。時間を意識するだけで、自然と集中力が高まり、読み進めるスピードが上がっていきます。
④ 過去問を使って「時間内に正解率を上げる」訓練
実際の試験問題(入試や模試)を使って、「時間内にどれだけ得点できるか」を意識して取り組む練習です。
慣れてきたら、あえて制限時間を少し短く設定してみるのも効果的です。プレッシャーの中でも冷静に読み、正確に解答する力が身につきます。
⑤ オーバーラッピングや黙読→内容要約の練習
音声に合わせて英文を一緒に読む「オーバーラッピング」は、リズム感や語順の感覚を養うのに効果的です。
また、黙読したあとに、その内容を短く日本語で要約する練習を取り入れることで、「理解しながら読む力」が鍛えられます。英文を「読むだけ」ではなく「内容をつかむ」力が自然と身についていきます。
これらの練習を毎日5〜10分でも続けていくことで、確実に読解力はアップします。「読む力は才能ではなく、技術と習慣で伸ばせる力」です。まずは、自分に合った方法から始めてみましょう。
まとめ・一言アドバイス
長文読解で時間が足りなくなる原因は、「語彙力」や「文法力」だけでなく、「読み方」や「設問へのアプローチ」にもあります。大切なのは、自分の課題を知り、それに合った練習を続けていくことです。
読むスピードを上げるには特別な才能は必要ありません。
時間配分は「技術」であり、「慣れ」でもあります。
最初はうまくいかなくても、正しい方法で少しずつ練習を積み重ねていけば、必ず読解のスピードも精度も上がっていきます。
あなたの課題は何ですか?
まずは、この質問の答えから見つけましょう。
焦らず、一歩ずつ進んでいきましょう。
今日の一読が、明日の前進につながります。
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